2017年6月14日水曜日

藤沢市議会から共謀罪法案廃案の声を!

藤沢市議会総務常任委員会が13日開かれました。同委員会に市民の方から提出された「共謀罪法案の廃案を政府に求める陳情」は共産党議員団と民進党系会派は賛成しましたが、自公会派らの反対で2対5で趣旨不了承となりました。
公明党議員の討論は共謀罪法案はテロ対策に資するなどと破たんした論拠を振りかざし「国で議論されているなかでの意見書提出は望ましくない」と述べ、住民自治を託された市議会の役割を否定する本当にひどいものでした。地方政治も当然に国の政治の枠内にあり、国の政治が間違った方向に進んでいるなら、それに異議を唱え住民の声を届けるのが当然の役割です。共謀罪法案廃案のために引き続き議会の内外でたたかっていきたいと思います!
以下、少々長いですが、共産党議員団の討論を紹介します。
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 陳情29第6号組織犯罪処罰法改正案(共謀罪法案)の廃止を政府に求める意見書の提出に関する陳情について日本共産党藤沢市議会議員団の討論を行います。この法案は、2003年、05年、09年の過去に3回、国会で廃案になった「共謀罪法案」をテロ等準備罪法案として法案をつくって提案してきたものです。しかし国会でも問題になったように、法案には当初テロの文言が一切入っていなかったものでした。
 この法案の問題点の第一は、実際に起きてもいない「犯罪」について2人以上で「話し合い、計画」しただけで犯罪に問えるものだということです。このことは日本の刑法の大原則を根本からひっくり返すような大きな問題です。
 第二は、共謀罪の対象は「組織的犯罪集団」の行為のみと政府は言っていますが、国会審議の中で犯罪集団とされる団体以外の市民団体なども対象になる事が明らかになっています。「テロ組織」の定義もありません。そうなれば、一般市民が犯罪主体にされることになります。
 第三に、一般市民が犯罪主体にされた時に、犯罪の計画・合意に加えて準備行為が必要になりますが、警察が疑えば普通に生活している買い物に行くことやATMでお金を下ろす行為も準備行為にさせられます。2人以上の相談者のうち一人が準備行為と見なされれば、もう一人も共謀罪に問われることになります。
 第四に、共謀罪は犯罪を実行する前に「話し合い・計画」したことが罪になる事から、2人以上で話し合った内容を捜査当局は知らなくてはなりません。そのために、電話の盗聴やメール傍受が必要になります。市民が知らぬ間に知らぬ間に共謀罪で逮捕されるということすら起こりかねない問題です。
 第五に、政府は東京オリンピック・パラリンピックを成功させるためにも「国際組織犯罪防止条約」を締結するために「共謀罪」が必要だと言います。しかし、この条約は187ヵ国が締結していますが、共謀罪を新設したのは2ヵ国だけです。共謀罪がなければ条約締結ができないと言うものではありません。この条約はマフィアや暴力団によるマネーロンダリングなどの国際犯罪を取り締まるためのもので、条約の中には「テロ」や「テロリスト」の文言すら一言もないものです。など、まだ問題点はいくつもありますが、国会ではこれらの問題点を政府がきちんと説明できない状況になっています。国民世論も今議会では強引に成立させるべきではないと言う意見が多いことも明らかになりました。そのためには、国民が納得する国会で徹底審議が必要です。会期末が18日と迫っている中で、加計学園問題など先行して審議疑惑解明しなくてはならないことがあるもとで、共謀罪法案はキッパリ廃案にすべきです。よって、陳情29第6号は趣旨了承とします。

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