2019年3月2日土曜日

保険年金課 民間委託方針が示される―公的サービス低下を招く民間委託は中止を!

市議会厚生環境常任委員会が2月21日開かれ、藤沢市が進めようとしてる保険年金課の窓口業務の民間委託について中止を求めました。民間委託で公的サービスの低下を招いた足立区の事例を示し、自治体の公的事業は公務員が責任をもって担うべきと主張しました。

戸籍業務を民間委託した足立区では戸籍の受理・不受理の判断を民間職員が行なうなど法令違反が常態化し、区職員の指示を仰いでいたことが「偽装請負」と東京労働局から指摘され、大きな問題となりました。結局、区は窓口業務の一部を直営に戻すこととなりました。足立区では国民健康保険事業の窓口業務についても業務委託を進めています。区は徴収担当についても委託を行う一方、区議会では直営にすれば1億円以上の経費節減になることも明らかになりました。窓口では「5分で終わる手続きが3時間もかかった」など苦情が相次ぎ、区長も民間委託によるコスト増を認め、謝罪に追い込まれる事態になりました。
 
自治体の窓口業務の民間委託化は国の方針の中で「公的サービスの産業化」が掲げられたことを契機として進められ、公的事業を民間に明け渡して儲け先を増やすことを目的にしています。藤沢市では新年度予算に窓口業務委託化に向けた予算が計上され、2月末から事業者を公募し5月中に選定する予定です。今年の9月にも民間委託実施の可否を判断し、「可」とした場合は20204月から窓口業務の民間委託が始まります。民間委託の問題点には①個人情報・プライバシー漏えいのリスク、②偽装請負の法令違反の可能性を解消できない、③法令違反を回避しようとすれば「2度手間行政」によってコストがさらに増大することなどがあげられ、藤沢市の公的サービスの質が低下する懸念が拭えません。
 
国保の窓口はくらしに困った住民が最初に行政とつながる場所です。その対応には税や社会保障制度全般にわたる高度な知見が要求されます。住民の命とくらしを守る役割は全体の奉仕者である公務員が行うべきです。自治体の役割を放棄することにつながる、窓口業務の民間委託を進める藤沢市の姿勢は許されません。
 

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